1月21日付けの西日本新聞朝刊によると、福岡空港過密化対策の公募意見は滑走路増設が、優勢であるのに対して、「麻生知事は、10年ちょっとでまた容量限界の問題にぶつかる。増設案は暫定案だと述べ、抜本対策にはつながらないとの認識を示した」と報じている。
私は10年前から福岡空港問題について、需要予測に問題がある空港新設に反対し、西側滑走路増設案を提唱してきた。
県知事など、新空港建設を主張する人達の言い分の最大の拠り所は、将来需要の増大にある。事実、国土交通省が中心となって、四年前から行なっているパブリック・インヴォルヴメントと称する調査でも、右肩上がりの予測がされている。ところが、発着回数の実状は2001年をピークに減少乃至横這いである。特に昨年は7,500回も激減した。景気や他の原因もあろうが、根底には人口減少がある。それでも国交省は3年後には発着回数が昨年より20,000回以上増えるとの予測に執着するのだろうか。混雑時や滑走路維持管理の為のサブ滑走路増設と平行誘導路二重化で充分ではないか。
篠田 栄太郎 71歳(団体役員)
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