不良債権処理を着々と進める親和銀行
福岡南部では、金融機関の再編が行なわれている。柳川信金が大牟田信金に糾合され、大牟田柳川信金となった。本年11月には、大川信金が筑後信金と対等合併する。大川信金は、市場が果てしなく縮小し続ける家具業界を金融面からサポートした結果、大量の不良債権を抱えるに至ったとされている。結果、大川信金は大牟田柳川信金に対し、合併の申し入れを行なった。しかし、柳川から大牟田にかけての地域を取り仕切る大牟田柳川信金にしてみれば、家具業界という、企業間関係が複雑で、非常に扱いにくい貸し出し先を抱える大川信金との合併は、多くの不安材料を抱えることになる。よって、大牟田柳川信金は、大川信金との合併を見送ることとなる。
大川信金が次に支援を求めたのが、筑後信金であった。上層の人々の力と思惑が交錯し、熾烈なかけひきが、当然のごとく繰り広げられたものと思われるが、結局は、筑後信金との合併に落ち着くこととなった。
こうした状況に対し、佐賀銀行もいろいろな方策を講じてはいるが、福岡銀行の谷頭取のようなリーダーは存在しない。未だにバブルの戦後処理を行なっているほどである。
佐賀銀行は、佐賀・福岡両県を主戦場としている。佐賀県では強い営業力を有するものの、同県はあまりに市場が小さく、同県で集めた資金を福岡県で運用するという構図となっている。福岡南部でも上記のような信金段階における再編が行なわれており、西日本シティ銀行も表面的には音なしの構えながらも、水面下で動き回っている。
福岡銀行は、グループ銀行が抱える不良債権の処理業務を進めており、特に親和銀行に関しては、最終局面に至っている。西海建設を私的整理を対象としたガイドラインにもとづいて再建。懸案の金子漁業グループ(丸源グループともいわれる。金子長崎県知事の実家の会社)をはじめとする主力融資先3社については、産業再生法により再生させる方法が採られた。残念ながら辻産業は、政治力のなさや銀行の再生指導に従わなかったため破綻させられたが、親和銀行による不良債権の処理業務は、着々と進みつつある。某建設グループの場合も、現在、処理継続中ではあるが、不良資産と化した会社を整理して、子会社については生き残らせるという再建スキームが、できあがったといわれている。(つづく)
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