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福岡市役所の破綻 1
行政
2009年1月29日 08:42

 破綻という言葉を辞書で調べると「ほころびること。やぶれ。ものごとがだめになること」などと記されている。もちろん企業の倒産などを表現する言葉でもある。結論を先に述べておくが、福岡市役所は前者の意味においては、すでに「破綻」している。
 
 こども病院の人工島移転をめぐって、吉田市政が再び窮地に立たされた。人工島事業「検証・検討」に疑義が生じたためだが、会見で逆切れし、職員を追い込むようなことを口走る市長に対し、現役職員や市OBらから、辛らつな批判がでている。
 吉田市長は会見で、こども病院現地建て替え工事費の水増しに関し、再見積もりを頼んだゼネコンに「2人の職員が行った」と明言した。勘のいい記者は「2人」が誰なのか捜して、当時の話を聞くことになる。2人の構成に問題がなければいいが、世の中はそう甘くない。さらに、「ゼネコンに行った」というのは間違いないとされるが、「市役所に来てもらった」こともあるという。
 いずれにしろ「2人の職員」をはじめ、現場の職員に取材が集中する。吉田市長の「2人の職員」という言葉が、職員を追い込むことになるのである。もちろん、この一言が市長自身をも苦しめるであろうことを予告しておきたい。
 なんと浅はかな市長なのか!なぜ職員を守らないのか!「問題はない」と強弁するが、PFI事業者になるかもしれないゼネコンに意見を聞くことが、どれだけ問題になるかも分からないというのか・・・。率直な職員や市OBの意見である。
 「一生懸命仕事をしている職員を守ってくれない組織にはがっかりする」。職員のつぶやきは市長に対するものであり、部下に責任を押し付ける幹部職員に対するものであろう。
 職員と幹部職員、職員と市長、それぞれの信頼関係にほころびが生じている。組織としての福岡市役所はすでに破綻しているのである。責任が市長にあることは言うまでもない。


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