福岡市西区にある市立城原小学校の2年生の教室で、授業を行なっていた教務主任が、椅子を投げつけて児童にけがを負わせていたことが明らかとなった。考えられない暴挙に批判の声が上がっている。
福岡市教育委員会によると、事件が起きたのは23日の5時間目の授業中、14時40分ごろ。研修のため不在となっていた担任に代わり、授業を行なっていた教務主任が、教室内が騒がしかったため注意。静かになったがそれでも私語をやめなかった児童がいたため、「驚かせよう」と椅子を投げたという。投げられた椅子がバウンドして児童に当たり眉間の上を縫うけがを負ったという。「傷跡を残さないようにとのご両親の配慮から、形成外科での治療を受けているため、何針縫ったかは確認できていない」(同校校長)としている。
確認したところ、けがを負った児童は教室の最後尾の席。教壇から最後尾まで椅子が飛んでくれば、子どもは怖いに決まっている。教育委員会は投げられた椅子の距離だけを切り取って2.7メートル(校長は約3メートルと説明)だというが、小学校2年生の子どもからみれば、恐怖の瞬間にほかならない。
「驚かせよう」と思ったかどうかは別として、椅子を投げれば場合によっては死につながることぐらい判断できそうなものである。予見可能性の問題を論じるのではなく、椅子投げの事実だけで暴行事件として成立しそうな事案である。教務主任と言えば学校内では校長、教頭に次ぐ事実上のNO.3である。指導的立場にある教員がやることではあるまい。同校校長に聞いたところ、事件を起こした教務主任は温厚で、なぜこのようなことをやったのか理解できないという。しかし、小学校2年生の児童に恐怖心を植え付けたことは事実であろう。「普段は温厚」は、椅子を投げた時点で当てはまらない評価になっているのだ。
処分は教育委員会教職員課が検討するとしているが、椅子を投げた教務主任は現在も学校に出てきているという。児童のけがの回復を祈りたいが、心の傷を残さないよう、十分な配慮が求められる。
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