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直撃インタビュー

業界の風雲児・福岡MKタクシー 消費者不在の規制に喝!(最終回)
直撃インタビュー
2009年1月 4日 09:11

■ 「黒船」ではない!

―御社のセールスポイントを教えてください。

青木: 当社の売りは「良いものを、安く、サービス良く」です。これは全世界の商売人の考えで、消費者が常に求めているものだと思います。現在の福岡の料金設定は、大阪や神戸の他社くらいです。当社では、神戸MKや大阪MKとほぼ同じ料金設定で、他社より10%安くできます。
 ただ、料金だけの勝負ではMKらしさが出ません。そこで、当社ではハイヤー車両を普通タクシー車両として使います。
 また、ほかと少し違うのは、50台のうち5台がエスティマハイブリッドだということです。3列目の席を取り払って足を伸ばせるようにしており、3人しか乗れない、いわゆる飛行機で言うところのビジネスクラスです。予約する場合は別途料金が必要ですが、それでも普通タクシーと同じ走行料金に設定しています。

―かなり上級のサービスですね。

青木: また当社は、安全・接客(挨拶)・美化(掃除)を徹底します。とくに接客マナーのマニュアルは長く、徹底した教育をします。ドアはドライバーが開け閉めします。いわゆるハイヤー並みの丁寧なサービス、良い車で安い料金が当社の売りです。

―ただ、他社のタクシー運転手と話していると、「労働環境が悪い」といった、いろいろな悪口も聞かれます。

青木: 実はそれこそが、当社が順調に伸びている要因です。つまり、そうやって他社が悪口を含めて当社のことを宣伝してくれるというわけです。そうやって攻撃されているうちは「どんどんMKは伸びる」と社員には言い聞かせています。これがもし、「MKのビジネスモデルが参考になる。あそこよりも挨拶や掃除、料金などのサービスを充実させよう」ということで他社に真似されるようになったら、そのときが本当の脅威です。
 誰が何と言おうと、判断するのはお客さまで、一回乗ればその違いが分かります。真実はひとつですから。

―たしかに「MKタクシー」というと、暗いイメージがよく報道されます。

青木: 当社の福岡進出が決まったとき、新聞やテレビでよく「黒船到来」と報じられましたが、これは非常に心外です。「黒船」って何ですか?たとえば、多額の資金を投入して西鉄さんやJRさんを買収するという話ならば「黒船」です。でも全然違うじゃないですか。
 私は「黒船」という言葉に良いイメージを持っていませんし、そういう存在ではまったくありません。また、雇用創出とは言っても救世主ではありません。当社は当社ができる範囲のことをしているだけです。

―今日は御社の考えがよく分かりました。ぜひ福岡でも良いサービスを提供していただきたいと思います。

(終、全文はIB本誌にて掲載)


MK_aoki.jpg

昭和35年に青木定雄氏が京都で創業し、2年後に50周年を迎えるMKタクシー。京都、東京、大阪、神戸、名古屋に営業拠点を有し、来春にかけて札幌、横浜、滋賀、広島、福岡でも順次開業。「MKタクシー緊急全国雇用創出計画」で全国1万人の新規雇用を打ち出し、世間を驚かせた。この度、福岡の代表をつとめることになる、定雄氏の三男で神戸・大阪・名古屋MKタクシー㈱代表取締役社長の青木義明氏に、規制との戦いと今後の展開について話をうかがった。(文・構成:大根田康介)

【京都本社】
所在地:京都市南区西九条東島町63-1
設 立:1960年10月
資本金:9,500万円
売上高:(07年度)約405億円(グループ全体)

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