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麻生首相の「矜持」とは?
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2009年1月 7日 09:05

 2次補正予算案を焦点とする国会論戦が始まった6日、麻生太郎首相は3年後の消費増税について「責任ある政府・与党の原点、矜持だ」と述べた。麻生首相の言う「矜持」とはどういったものなのだろう。

 昨年、高額所得者に対する定額給付金の扱いについて問われた首相は、高額所得者が給付金をもらうことを「さもしい」としたうえで、「そこは人間の矜持の問題」とまで言い切った。しかし、通常国会が始まり、政府・与党内から「国会議員ももらうべき」との厚顔ともいえる意見が出始めるや、「私自身がどうするか判断している段階ではない。その時に考える」と態度を変えた。「人間としての矜持」は捨ててしまったのだろうか。

 定額給付金についての発言をたどれば、麻生首相の「矜持」はコロコロと変わることがはっきりした。これほど言葉の軽い総理大臣は、憲政史上初だろう。3年後の消費増税が政治家麻生太郎の「矜持」だというが、首相は消費増税の前提として「景気の回復」を明言したはずだ。「日本経済は全治3年」が首相の決まり文句だったが、3年後に日本経済の動向が上向きになっているかどうか、誰も分からない状態。明日の生活がどうなるか分からないという人たちが加速度的に増えている中、景気回復策でもたつく首相の言葉が信用できるはずもない。「景気回復」が担保されないまま増税の話だけに固執したら、益々消費意欲を喪失せしめる。消費税アップにこだわる前に、経済立て直しの具体策を次々に打ち出すべきであろう。それなくしての「矜持」とは笑止千万である。

 「矜持(きょうじ)」とは、誇り、プライドと言い換えることができる。政治家が「矜持」と言うからには、「曲げることのできない信念、持論」を指す。もちろん、政治生命を賭けて守るべきものである。逆に言えば、政治家が「矜持」を失ってしまえば、ただの政治屋に成り下がるということだ。政治屋だらけの永田町が国民の信頼を失って久しいが、以前は政治屋といえども、その言葉は重かった。
 
 麻生首相の言葉はあまりに軽すぎる。漢字の間違い程度でちゃかされているだけならまだよかったが、政治家が命がけで守るべき「矜持」を軽く扱うようでは宰相の資格はあるまい。定額給付金、消費増税、どちらも兆円規模の話である。税金の重みを理解しているのなら、「矜持」という言葉をかみしめて使うべきである。

【 頭山 隆 】

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