福岡市が地下鉄七隈線の新たな延伸計画を検討しているという。天神南駅からキャナルシティを経由、博多駅と結ぶというものだ。
利用客低迷に悩む七隈線にとっては起死回生の案と思われがちだが、よくよく検証してみると、うさん臭さが漂う。ちょっと待てと言いたい。
これまで、地下鉄延伸計画は、七隈線の天神南駅から中州川端駅を経てウォーターフロントへのルート(2.3キロ)と、薬院駅からまっすぐに博多駅へ向かうルート(2.5キロ)の2案が検討されてきた。
これに対し新案は、建設費が450億円余りで済み、前述2案のそれぞれ800億円より安くあがるという。利用客も1日4万7,000人~5万5,000人の従来案に比べ、新ルートの利用者は6万8,000人にのぼると試算している。
七隈線の利用客は、計画段階では11万人以上とのことだったが、05年の開業以来5万人台の低空飛行が続く。福岡市の需要予測が当たったためしはないが、1日6万8,000人などという数字はどうやってはじき出したのだろう。現在でも5万人そこそこの利用客が、博多駅の再開発だけでそこまで増えるとは思えない。七隈線沿線の住民が爆発的に増えるとでもいうのだろうか。そもそも現在、多少歩く必要はあるが、乗り換えさえすれば、地下鉄で博多駅まで行けるのである。建設費が安いとされるが、本当に必要なものかどうか見てゆくと、どうも怪しい。喜ぶのは市民より特定企業ではあるまいか。案の定、さらにうさん臭い話が聞こえてきた。さらに検証してみたい。(つづく)