(1) 百貨店はいらない
百貨店の惨状は表現しにくい。若者は「百貨店では買うものがない。必要がない」と見捨てている。高級ブランドを求める人は「百貨店では買わない。ブランド直営店で買う」と突き放す。若者から、金持から見放された結果、2008年の全国百貨店売上高は7兆3,813億円で前年比4.3%のダウン。ピーク時と比べると2兆円も売上を落としている。前年割れは12年連続で21年前の1987年の水準にまで落ち込んだそうだ。
(2) 広告代理店業務はいらない
福岡市の中堅広告代理店アバが自己破産した。百貨店に食らいついてきたのが広告代理店である。得意先が12年連続売上ダウンであれば、広告代理店が儲かるはずがない。実例を述べたが、ビジネスの世界を見回してみると、広告代理店業務が成り立つ基盤が消滅している。いずれ(近々)、「広告代理店」という業種は消滅する。
(3) 印刷業界も淘汰かも
福岡で元気の良い印刷会社の社長とコーヒーを飲む。「貴方が頭を下げて仕事をもらっていた広告代理店がバタバタ潰れるな」と問いかける。印刷会社の社長は「アバさんには頭を下げて仕事を貰いに行っていた。まさしく栄枯盛衰だ」と語る。「広告代理店という業種はおしまいだ」と水を向けると「いや、印刷業界も同じことだ。業界トップの大日本、凸版は印刷部門では百億単位で赤字をだしている。輪転機を持っている業者は風前の灯だ」と顔を曇らせた。