焦点となっていた消費税の引き上げ時期をめぐる騒ぎは、2011年度からの消費増税に固執した麻生首相と、中川秀直元幹事長ら反対勢力の顔を立てるという玉主色で決着、自民内政局は一気にしぼんだ。
関連法案の付則には、「11年度までに必要な法制上の措置を講じる」と明記するかわりに、景気動向の好転を引き上げの前提として、別の法律で時期を決めるという「2段階方式」。
「ぶれた」と言われることを避けたい首相と、造反をちらつかせて法案への明記撤回を迫る中川氏らの意見を、足して2で割るような形となった。増税時期はいつになるか分からない。
結局、社会保障などの財源確保という目的がぼやけたことで、麻生自民は再び「ぶれた」とする見方が大勢に。造反回避のための苦肉の策だったようだが、混乱ぶりに早くも「また支持率が下がる」との声が上がっている。
森喜朗元首相に町村派からの追放をちらつかされ、腰砕けとなった形の中川氏。こちらも「ぶれた」ということになる。次の仕掛けは官僚の天下り問題だというが、妥協の繰り返しが続けば、自民党への信頼感は益々薄れていく。