創業80年を超える歴史を有する、福岡を代表するゼネコンである(株)高松組(中央区)。2007年3月期には売上高が100億円の大台を突破。しかし08年03月期には受注を調整して売上高を身の丈にあった80億円にまで引き下げるなど、堅実な経営を行なっていた。
当期も売上高目標である80億円を突破する見込みの同社であるが、2008年1月29日に民事再生法を申請した栄泉不動産の物件(ロイヤルアーク下大利)を施工していたことで多額の焦げ付きが発生。懸念がもたれていた。
しかしロイヤルアーク下大利の施工に関しては、現金での回収を行なっており、すでに約3,400万円を現金で回収している。09年1月末に回収が予定されていた4,830万円の回収は不能となったが、同物件は天候不良などもあって着工を遅らせていため、現場は足場を組んだ状態でストップ(下記写真参照)していた。今後足場などの撤去、および発注していたサッシの代金など計2,100万円ほどの費用が発生するが、同社は中小企業倒産防止共済に加入しており資金繰りには問題がないという。。
栄泉不動産のような大手が潰れ、金融機関からの資金調達が困難になっている昨今の金融情勢の中で、デベロッパーから仕事を請けることは難しく、来期に関しては正直どうなるかわからない。会社によっては企業規模の縮小を検討しているところもある。
しかし同社は、来期も80億円という売上高を死守するという目標を掲げている。「簡単に達成できる低い目標なら設定しないほうが良い」と述べる同社社長のことばからは、これまで築き上げてきた歴史と信用に裏打ちされた確かな自信が垣間見られる。
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