新興上場不動産業者の倒産が相次いでいる。そして注目されるのは、倒産の直接的な引き金が、監査法人とメインバンクとの間の責任のなすり合いによるものが増えたことだ。最近でも、2,000億円近い負債を抱えて倒産した会社の実例が証明している。会社の将来を展望した場合、監査法人としては、決算の承認を躊躇せざるをえなかった。一方、メインバンクは「支援する」ことを表明。しかし、監査法人としてはそれだけでは心もとない。「『支援する』という頭取の一筆を頂きたい」とメイン行に申し出た。銀行は「そんな要求には応じられない」と、当然の如く拒否。かくて、瞬く間に決済日が来て、アウトとなった。このように、監査法人とメイン銀行とが責任逃れの綱引きをしている間に倒産するケースが、今後続出するであろう。
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