■3月オープンの隼人店で 新たな「お手伝い」の試み
牧尾 お客様のお手伝いをするには仕入先の存在は不可欠です。取引先数は1,500社。品物はすべて買い取りで、返品などはしません。地元、県外、スポットそれぞれ3分の1ずつぐらいの割合です。なるべく地元から仕入れるようにして来ました。高齢のお客様は醤油や和菓子などどうしても慣れ親しんだものを望まれる。そうした要望に応えてくれるのは地元のメーカーや生産者、問屋さんです。ただ、赤ちゃんを含めて平等にお役に立ちたいという思いがあり、徐々に県外まで拡大しました。
品揃え同様、お客様のお役に立つには、価格も非常に重要な要素です。問屋さんに協力していただかなければならないこともある。でも、理不尽な要請を行なってはいけない。協賛などのお願いは全く行ないません。「とにかく安ければいい」という考え方が、頻発する食品偽造問題の一因になっていると思います。品揃えを豊富にすれば、どうしたって価格帯も変わってくる。良い品だけど高いものを必要とされるお客様だっているはずです。一方で、問屋さんにお願いするときは小売店も痛みを分かち合わなければなりません。結果として地域の活性化にもなったようですが、とくに戦略的にやったわけでもありません。
―隼人店の概要はどういう店舗になりますか。
牧尾 当初、隼人への出店は考えていませんでした。これまで2回お誘いがあったのですが、お断りしていました。当社の出店コンセプトである「不便なところ」とは異なります。住宅密集地で、近隣に買い物できる店舗もあります。何より、土地の値段が高すぎました。しかし、熱心にお誘いを受ける過程で、検討できるところまで下がりました。また、いかに買い物に便利なエリアでも、ワンストップで全てを揃えられる小売店はなかった。その点ではお客様の「お手伝いができる」と考えました。そして、今回は新たに健康へのお手伝いが加わります。リフレッシュルームを柱に有機食材、無害生活用品の販売や薬膳レストランなどを開きます。
リフレッシュルームは、ご縁があって昨年から取り組んでいるもので、ラジウムを活用したものです。心臓に持病のある私自身が試して、大きい効果がありました。友人にも大変感謝してもらっています。この分野でも是非お役に立ちたいですね。売り場面積は3万2,000㎡。品目数は40万点くらいになるでしょうか。
【鹿島譲二】
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら