佐賀銀行のアーサーヒューマネット(株)に見る不良債権処理の仕方(その3)
佐賀銀行さん、アーサーヒューマネット(株)の資産をA社に売却されてはどうですか?
アーサーの入札は、地元マンション分譲販売業者もスポンサーとして加わり、数社によって行われたが、最終的には穴吹興産(本社:香川県高松市)が事業譲渡を受けることになる。
2008年9月30日、アーサーは、マンション管理事業を穴吹ハウジングサービス、マンションデベロッパー事業をあなぶき興産九州へ譲渡することを発表。
ここで、注目すべきは、佐銀は、同年12月25日、「債権の取立不能又は取立遅延のおそれに関するお知らせ」で、次のことを発表している。
1.アーサーは、平成20年12月19日開催の臨時株主総会の決議により解散いたしました。
2.アーサーに対する債権の種類及び金額(平成20年12月19日現在)
貸出金等 4,229百万円
3.当行の業績に及ぼす影響
上記債権は既に引当金等で全額保全されており、業績予想に変更はございません。
佐銀は、引当金等で全額保全されており、業績予想に変更はないと言っているが、問題はこういうことではない。まず、07年9月期の時点では、佐銀のアーサーに対する貸出金残高は、3,820百万円であったのが、1年間で約400百万円も貸し込み、負債を大きくさせているのである。
一方、アーサーの創業者である山本氏は、5年前佐銀主導で同氏の子息に社長交代をさせられているが、佐銀の経営能力のなさから来る無策振りに呆れ返りこの巨額の貸出を不良債権化した経営陣の責任は問われて然りであると述べている。(つづく)
【久米一郎】
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