朝日新聞が7、8の両日に行なった世論調査で、麻生内閣支持率が14%まで落ち込んだ。森内閣末期の9%以来の低水準で、福田内閣の19%を大きく割り込んだ形。もはや「危険水域」から「退陣ゾーン」との報道が相次いでいる。国会論戦で「郵政民営化には賛成ではなかった」という総理としての資質を疑わせるような答弁が、不人気に拍車をかけたと思われる。
8日に投開票された麻生首相の地元、福岡県の福津市長選挙と同市を中心とする県議補選では、自民・公明推薦の同党元県議が初当選、県議補選も自民支部が支持した候補者が勝利した。
福津市がある福岡4区は、麻生首相の選挙区である福岡8区に隣接する。麻生自民党への逆風の中での選挙。追い風を受ける民主党は、市長選で推薦、県議補選には公認候補を擁立、総選挙の前哨戦と位置づけ総力戦を展開したが、風は吹かなかった。地元民主の分裂など、いくつかの敗因が挙げられるが、民主党地方組織の足腰の弱さを露呈した形。
一方の自民県連関係者からは「(福津で勝てて)ほっとした。麻生さんの不人気がもっとも心配された選挙だった。北九州に続き敗北ということになれば、目も当てられないところだった。支持率14%の報道が1週間早かったら、どうなっていたか分からない・・・」
地元県連の中からも「(麻生首相が)ここまでお粗末とは思わなかった」との本音が漏れ始めているのは事実。党内からも地元からもため息ばかりの状況となった。
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