既報のとおり、大橋恭三・柳川市議の実弟が経営する土木会社が市発注の工事を受注し、同市の政治倫理条例に違反していた問題で「市議に留まる」と言明している大橋市議の去就が問われている。
大橋議員は議員を辞める考えがないことを報道機関の質問に対して答えており、弊社の質問にも同様の考えを示した。弊社が大橋議員に質問した日は、現職市長の後援会事務所開きの当日。この事務所開きには現職市長を支持する市議が壇上に並ぶ中、同議員は壇上に上がらなかったものの司会からは来賓として紹介された。条例違反であることを認めているものの、大橋議員には反省の姿勢が見えない。政治家としての倫理観を持ち合わせていないことが、政倫条例違反を生んだという事実には真摯に向き合うべきだ。同議員が言うように「注意が足りなかった」という問題ではない。そもそもそうした問題意識がなかったことを恥じるべきだろう。
大橋議員は市議会における会派「柳志会」に属し、副会長に就いている。「柳志会」は、現職市長を徹頭徹尾支持している会派である。行政へのチェックというよりも、議会多数派による市長批判を「多数の横暴」として批判し、議会内対立の旗頭となっている。また田中雅美元議長(2月7日に辞職)の「議員辞職」を執拗に展開したことも周知の通りだ。議員辞職を叫んだ議員が、今度は議員辞職の瀬戸際に追い込まれるとは皮肉なものである。
ところで、昨日報じたように同議員は、質問した記者の腕をつかみ、どこかに引っ張っていこうとした。この行為は許されるものではない。白昼、人が大勢いたので事なきを得たが、もしこれが人気のない夜だったとしたらどうなっていたのか。同議員の脅迫じみた威嚇行為に抗議するものである。
行政と議員との弛緩した関係が、こうした行為を生み出す背景にあると言えるのではないのか。
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