大分地区トップクラスのゼネコンといえば、(株)佐伯建設や(株)さとうベネック、梅林建設(株)などが挙げられる。その中で、同業者からも元気が良いと言われているのが、大分市に本社を置く佐伯建設である。同社は、08年3月期で対前期比約37億円の増収を達成するなど、厳しい建設業界の中でも売上を伸ばしている。とはいえ、業界では安値受注と言われる同社だけに、前期では売上総利益率は前年の7.6%から6.2%にダウンしている。それでも、赤字になる工事は受注しないなどしっかりとした方針は有しており、収益面は毎期黒字を確保している辺りは評価できるだろう。
今期は減収になるとはいえ200億円前後の売上見通し。さらに、1月末時点では借入金がゼロになるなど、財務体質も良化傾向を示している。受注先も、以前は先行きが懸念されるデベロッパーなどからの受注もあったものの、昨今は分譲マンションから賃貸マンションの受注へシフトしつつあり、福岡地区でも今後2棟の新築賃貸マンションを手掛ける予定で、東京でも大手不動産業者の賃貸マンションを建設する計画となっている。
【宮野 秀夫】
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