様々な業種にわたる韓国系企業が福岡に拠点を設けているが釜山に本拠を置く韓国のゴムベルト業界最大手のドンギルラバーベルトジャパンは、昨年8月に福岡市博多区にて日本法人を設立した。同社は福岡に進出した理由を次のように話す。「弊社も3年ほど前に初めて日本の市場調査をしたのですが、その時は初めに東京、次に大阪をリサーチしました。しかし、東京・大阪は市場規模が大きい分、競争が激しい。しかも、生活費や家賃なども高い。それに比べて福岡は釜山の本社に近く、生活費も家賃も安い。最初は駐在員事務所を設けていましたが、昨年8月に正式に法人を設立しました」と同社社長のソル・ キョンテック氏は語る。
現在は製造業向けにコンベアベルト&システムを、建設業界向けにゴムクローラ&アンダーキャレッジシステムを販売している。全世界的に標準化された品質をもつ製品を、安く提供している。福岡に拠点を置きながら、全国の大手企業に対する商活動を行なっている。「年に数回、東京や大阪に行きますが、東京などに事務所を構えた場合の諸経費について考えれば、出張旅費の方が安くつく」とソル社長は語る。「韓国は技術力の日本と安価な製品を作る中国との中間にあり、サンドイッチの中身みたいなものなのです。でも考えてみて下さい。サンドイッチで一番美味しいのは中身なんです。我々は美味しいものを売るために逆転の発想でお客様のニーズを第一に考えて仕事をしています」。(つづく)
【矢野寛之】
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