普通、会長になれば外交活動、財界活動に専念するのが一般的なパターンである。福岡地所の榎本一彦会長は、経営執行を八木社長に任せてからは財界活動に余念がなかった。同社はこの3年間、攻めの経営に転じ、不動産取得に乗り出していた。ところがリーマンショック以来、不動産業界は地獄に転落した。福岡地所もご多分に洩れず、マンションを含めた不動産商品の処分・売却ということが、難題として立ち塞がるようになってきた。こうした危機突破に際し、榎本会長自らが営業本部長のポストに座り営業の陣頭指揮をとるようになった。オーナー自らによる陣頭指揮で、営業部隊は大いに士気が燃え上がっているそうだ。幾多の修羅場を潜り抜けてきたオーナー経営者・榎本氏の凄さを、あらためて認識させられた。
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