イオンは全国で計画中のショッピングセンター(SC)のうち、7カ所の開業を撤回または延期することになった。九州では今年秋オープン予定だった大牟田市岬町のSCを2010年度以降に延期する。
イオン本社広報室は、データマックスの取材に対し、「開業延期はテナントが集まらないため。計画を断念したのではない。10年度以降にはオープンさせたい」と回答している。
イオン大牟田はイオンモールがデベロッパーになり、三池鉱山跡地の約22万平方メートルの敷地に、イオン九州の「ジャスコ」を核店舗に、シネコンなどを併設、店舗面積7万5,000平方メートルの建物をつくる計画だった。すでに着工しており、工事を中断することで建設会社などへの違約金が発生する。
イオンは、昨年12月オープンした「イオンモール筑紫野」でもテナント集めが難航、自社グループ専門店のスペースを増やすなどして埋めたといわれる。
またイオンは、テナントからの家賃収入を重要な収益源にしており、テナント不足は経営を直撃する。今後、すでに造成工事に入っている福津店や、計画段階の黒崎店などでもテナント集めが難航するのは必至と見られ、計画見直しに発展する可能性が指摘されている。
百貨店の井筒屋も4月予定していた「コレット井筒屋」の全面リニューアルを断念、テナントの半分を入れ替えただけでオープンする。消費マインドが冷え込み、新規出店を手控える企業が増えるなか、大型商業施設がテナントを集めることは益々困難となりつつある。
【工藤】
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