2月のとある日、福岡市近郊のある会社(X社としておく)を地元の新聞記者が取材に訪れたという。その記者は偶然居合わせたX社の社長に対し、いきなり取材を始めたが、その過程でX社の社長と言い争いになったという。
その後、掲載された同社朝刊の記事にはそのX社の社長のコメントとして、「取材に応じられない」と記されていた。これは事実と異なるのではないだろうか。X社の社長は記者と相対し取材に応じている。「取材に応じられない」ということでは決してない。X社の社長は、記者がアポイントを取って取材に来るなど基本的なルールを経てくれていれば、きちんと応対したと話す。また「取材に応じられない」という記事が載ったことで、X社の関係者に対し各方面から問い合わせがあるなど、業務にも少なからず支障をきたすことになったという。大手メディアの影響力は、現場の記者が考えている以上に大きい。取材する側が守るべきルールについて、考えさせられてしまった。メディア側が傲慢になるようなことはあってはならない。
【宮野 秀夫】
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