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外食業界の逆風に挑む ウエスト・若山和夫社長 | インタビュー
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2009年2月27日 10:34

在米40年の経験から見た外食業界
キーワードは常に新しい店を作る

ウエスト 若山和夫社長 逆風にあえぐ外食業界にとって必要なことは何か。現地法人W&Eホスピタリティの経営で手腕を発揮し、米国にも進出しているウエスト本社の代表も昨年5月から兼務している若山和夫社長へのインタビューを通して、外食不況の苦境を乗り切るヒントを考える。

1.今の外食業界に必要なこと

 北部九州を中心にうどんや焼肉など200店舗近くを展開する「ウエスト」。1966年に1号店を出店して以来、和食や中華を複合した外食モール「味の街」を開発するなど、様々な業態展開で多店舗化を成し遂げた。
 83年には米国に進出し、「イースト」の名前で和食レストランを展開。こちらも居酒屋から焼鳥、うどんまで多岐にわたり、立地や客層に合わせた店舗展開を行なっている。
 この子会社の経営にあたった若山和夫社長は、日本の外食業界について以下のようにみる。
 「外食は世界中どこも同じです。少子化で市場規模は縮小。でも、お腹はすくし、外出もしたい。外食の回数は減っても、お客さんはやってきます。要は工夫次第です」
ニューヨークのうどんWEST 外食は大きく分けて2つの性格からなる。一つは日常食。これは常日頃食べるもので、なくなることはない。もう一つはエンターテインメント。いわゆる食事をする楽しさ。これは時代に左右され、常に変化が求められる。
 外食不況と言われても、同社のうどん業態は非常に好調という。日常食ゆえに、値段も手頃で飽きのこない味とメニュー内容。それがお客を引き付けているのだ。
 一方、食の楽しさという点では、大多数の企業が提供できていない。どこもチェーン化し、効率を追求した金太郎アメ的な店舗やメニューばかり。時代に合った食の楽しさを提供する工夫が必要なのである。

◎うどん業態がけん引。ブランドの確立で集客

うどんウエスト店舗 ウエストの2008年度の売上高見込みは140億円。外食不況の中、対前年比で5%のマイナスだ。ただ、それは業態の2本柱のうち、焼肉がかなり苦戦したからで、その分を好調なうどんがリカバーしている。
 「当社のうどんは手作りの天然だし、もちもちの麺、揚げたての天ぷらと、随所で美味しさを引き出す工夫を凝らしています」と若山社長は自信を示す。
 だしはイオン水を使い、いりこや昆布などからとったもので、麺はきめの細かい小麦粉とミネラル塩を使用してこしを出し、具材の天ぷらは注文を受けて揚げるというこだわり。
 価格も最も安いかけうどんは280円。具材をトッピングしてもごぼう天うどんは390円と手頃である。金曜日には海老天とわかめ、温度玉子を具材にした海老得々うどん(そば)などの特別メニューを480円で提供。おまけに24時間営業を基本とするなど、集客に弾みを付ける戦略に余念がない。
 うどんは日本が生みだしたファーストフーズだ。食材の安定調達が可能だし、調理の作業工程も単純で、オペレーションはしやすい。だから旨い、安い、早い商品が提供できる。
 おまけにウエストは創業から40年以上を経過し、うどん店としてブランドを確立した。お客は日常食だけでなく、ウエスト=美味しい、安心と思ってやってくる。うどん業態が好調な理由はこの辺にもあるようだ。(つづく)

【釼 英雄】

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