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自民党県議団、現空港増設案に傾く?
行政
2009年2月10日 15:52

 10日に開かれた福岡県議会の総務企画振興委員会で、麻生知事が3月末までに新設か増設かの選択をすることについて、自民党委員から「(新設か増設かの)どちらを選択されるのか、国や福岡市と連携をとりながらしっかりした判断をしてもらわないと大変なことになる」との発言がなされた。この発言は未だに真意を周囲にも明らかにしていない麻生知事に対する与党からの「増設案」選択にむけての環境づくり、地ならしではと観測されている。

 自民党県議団は、新空港建設と増設派の主張が混在し、意見がまとまっていない。新空港を推進する経済団体と近い県議の多くは、新空港建設の旗を降ろしていない。一方、県南部や北九州から選出されている議員の多くは新空港には否定的で、増設や北九州空港との連携を叫んでいる。

 経済団体や地元首長、そして国会議員との協議を終えた麻生知事は、3月末の「決断」に向け最終的な調整をしていると言われている。その麻生知事がどういった判断をするのかに、大きな注目が集まっているが、どちらを選ぶのか、探ろうにも知事は隙を見せないと嘆く人もいる。

 「麻生知事は非常に苦慮している」と、ある職員は漏らす。自民党の意見がまとまっていない段階では、両案のどちらかを選択するにしても、知事にとってはいずれも茨の道であろう。国の意向と全く反対の選択をして麻生知事の面子がつぶれたら元も子もない。知事をとりまくこうした状況を勘案し、自民党議員のほうから環境を整備しておこう、というのが本日の自民党委員からの発言の意味なのではないか。
 
 この日の委員会では、民主党の委員から需要予測のやり直しと北九州・佐賀空港との連携の再考、莫大な事業費と経済不況での大型工事には慎重であるべきだ、との知事に対する要望意見が出された。また共産党の委員からも、巨大プロジェクトに対しては県民の理解と協力が必要だ、拙速な判断は避けるようにとの要望が出されている。さらに、公明党の委員からも、需要予測のやり直しと、県民の負担が大きい事業への慎重な取り組みが要求されている。

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