商工ローン大手で東証1部上場のSFCG(旧・商工ファンド)が23日破綻した。負債金額は3,380億円で今年最大、上場企業では10社目の破綻となるが、これほど倒産を惜しむ声が少ないケースは珍しい。
旧商工ファンド時代から強引な取立てで社会問題を引き起こし、現社名に変えてからも借り手とのトラブルが絶えなかった。(関連記事参照)
同日、東京都内で記者会見したSFCGの大島健伸会長(前社長)は、過払い金返還請求の著しい増加を破綻の一因としているが、それこそ脱法的手法で暴利をむさぼっていた証である。驚いたことに、返還請求の金額だけで数百億円に上るという。破綻で、こうした返還金がうやむやにされたり切り捨てられる可能性が生じているが、経営者である大島会長は個人資産を投げ打ってでも処理に当たるべきであろう。同会長は、今月20日に社長兼会長を退き、代表権を返上していた。破綻を見越してのことだったとしたら言語道断である。
上場企業とは思えない所業の数々と思ってはいたが、破綻して喝采が送られる企業も珍しい。同社から融資を受けていた福岡市の会社社長は「いきなり全額返済せよと文書を送りつけたり、勝手に債権譲渡したりと、ずいぶん振り回された。ざまあ見ろと言いたい」。再建への道は厳しいと言わざるを得ない。