―数年前からそういう声は上がっていましたが、これまで管理会社に任せっきりだった組合は、非常に厳しい状況に陥っているのでは。
早川 分譲マンションの価格、さらに土地の価格もすごく下がってきています。バブル時代にもダンピングというものはありましたが、最近の不動産市況は少しはしゃぎすぎていた感がありました。これからは原点に戻っていく必要があると感じています。まだ小さな津波が来ているだけでは、という気がします。
今年は建売住宅を販売してみようと考えており、新築メゾネットで1,800~1,900万円ほどの金額で販売してみようと思っています。これほどの金額で販売したら、賃貸の家賃相場にも相当な影響が出てくると思います。当社は賃貸管理もやっているため、自分で自分の首を絞めるようなものですが、それはいたしかたないと思います。
明日買ったほうが安くなるという時、人々がどう行動するのか。これからはそれを知っておかなければならないし、研究していかねばならないと考えています。
―ワンルーム以外の販売も考えているのですか。
小林 ここ数年は、2Kの賃貸需要が出てきています。これまでは土地の値段などもあって採算が合わなかったのですが、企業努力により今年は4棟ほど2Kタイプを竣工する予定です。現在、入居率は高くなっていますが、その半面、入居審査が甘くなっています。それに伴い、家賃滞納が課題となってくる可能性があります。
早川 郊外の木造のワンルームについては最近、空き室が目立っています。どこのゼネコンもリフォームで乗り切ろうとしていますが、たしかに今後はリフォームに主眼を置いていかなければと取り残されてしまいます。
ネットなどが発達し、価格の平準化は誰にも止められませんし、これから生き残っていくためにはまず高品質でなければなりません。
(文・構成:阿比留 真平)
座談会参加者(50音順) | |
(株)リアン・インク | 代表取締役社長 黒石 征幸 氏 |
(株)ジャスティス | 常務取締役 香田 直樹 氏 |
(株)えん | 専務取締役 小林 貞明 氏 |
(株)合人社計画研究所 | 西日本統括福岡支店長 高橋 秀樹 氏 |
(株)早川不動産 | 代表取締役社長 早川 眞市 氏 |
※記事へのご意見はこちら