金目のゴミを求めトラックの周りに群がる人々

　カンボジアの首都プノンペン郊外にあるゴミ山。プノンペンで集められたあらゆるゴミが運ばれてくる。ゴミ山は、メタンガスやダイオキシンなどの有毒ガスによる悪臭と、自然発火による煙に覆われ、決して人間が働くべき環境ではないと感じた。しかし、ここを仕事場として働く人々がいるのだ。その中には子どもたちの姿も少なくなかった。

　ゴミ山は常に危険がつきまとう。私たちが訪れる数日前の2月12日、16歳の女の子・スレイ・マウちゃんが死亡した。原因は頭蓋骨骨折。トラックが来ると金目のゴミを求めて人々が周りに群がる。分別されているわけではないので、何が出てくるか分からない。彼女もその日の稼ぎのために必死になり、トラックの傍に行った。しかし、鉄のゴミ箱が彼女の頭を直撃。病院に搬送されたが間もなく死亡した。美容師を目指していたという。

　他にもゴミの隙間にできた空洞に落ち、窒息死した例もあるという。命を落とす可能性がある場所で、生きるために働かねばならない現実・・・。「劣悪な環境と気付かずに働いている人も多い」と大谷代表は語る。

（つづく）

【楢崎 賢治】

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