更に安くなる条件
「住宅新築(購入)のチャンス」について、BPnetが輸入住宅メーカー「ホームメイド」(愛知県日進市)代表・村瀬雄三氏から聞き取りを行なった記事が掲載されていた。
同社は海外から資材・設備を輸入して「手作り住宅」と称して販売している。
村瀬代表の試算によると、今なら何と1,325万円も安く家を建てられるというのだ。
同試算は、家を安価で建てることができる理由として、(1)円高による為替差益、(2)超低金利による支払い額の減少、(3)大型住宅ローン減税の利用、(4)消費税アップは不可避、の4pointを挙げている。
その内訳は、以下の通り。
(1)円高差益
同社が使用する輸入資材の大半は、カナダから輸入している。カナダドルの為替レートは2007年末には1ドル当たり120円だったものが、先月(09年2月)は75円前後、3月4日現在ではやや弱含みではあるが、それでも76.734円となっている。
同社が住宅の建造に用いる資材の30%程度を輸入資材が占める。例えば3,000万円の住宅の場合、その金額は約1,000万円となる。
07年末の1カナダドル120円の場合:18万3,333カナダドル×120円=約1,000万円
09年2月の為替レート 75円の場合:18万3,333カナダドル× 75円=約 625万円
為替差益:375万円
逆に、円高前に資材を輸入していた商社では、同額の在庫差損が発生することになる。
(2)超低金利下における支払額の減少
未曾有の金融危機により、日銀も政策金利を年0.1%に引き下げた。この大不況を1年や2年の短期で克服できるとは、殆どの人が考えていない。したがって、金利の先高感は後退しはじめている。
主要銀行のフラット35の金利は、09年2月20日時点で3.69%もする。これが変動金利ならば2.875%であるから、金利差は0.815%になる。
先々、景気が回復した場合に金利が上がることを恐れて長期固定金利を選んだのであろうが、金利はこの先10年間で、大きく上昇する可能性はきわめて低い。
一般論として、金利に影響を及ぼす国内総生産(GDP)は、人口の増加と共に上昇する。少子高齢化の時代に、高度経済成長はあまり期待できない。
金利が上昇する場合は、逆に景気回復による賃金上昇も期待できるので、金利上昇分は賄えると考えるのが普通である。超低金利時代に高い金利を払ってでも長期返済する意味がどこにあるのだろう。
村瀬氏は、次のような試算例をあげている。
建築費3,000万円の住宅を新築するとして、その内500万円を自己資金として調達し、残りの2,500万円を住宅ローンで借り入れする。返済期間は35年、ボーナス返済なしで毎月均等返済するものとする。
【全期間固定金利のフラット35の場合:金利3.69%】
A.毎月返済額:10万6,093円
B.金利分を含めた総返済額:4,455万9,062円
【変動金利の銀行ローンの場合:金利2.875%】
A.毎月返済額:9万4,477円
B.金利分を含めた総返済額:3,968万5円
【差額】
A.毎月返済額:△1万1,616円
B.金利分を含めた総返済額:△487万9,057円
金利差0.815%の違いで、500万円近くもの返済総額の差額になる。それだけのお金があれば、自動車の購入や子供たちの将来の教育費にも回せる余裕が出てくることになる。(つづく)
【徳島 盛】
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