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ミサイルを「衛星」 北朝鮮に求められる自制
社会
2009年3月16日 09:05

 北朝鮮が来月4日~8日の間に「衛星」を打ち上げるという。事前に国際海事機関(IMO)に通告して、あくまでも「衛星」であると言い張るつもりらしいが、世界中が「衛星」の実態は長距離弾道ミサイル「テポドン2号」であることを見抜いている。米オバマ新政権への威嚇なのか、お得意の「恫喝して何かを引き出す」手法なのか、いずれにしろ狂気の沙汰である。
 北朝鮮がミサイルを発射した場合、日本国内に落下してくる可能性がある。落下地点によっては甚大な被害が出る。警戒を要するのは領域、つまり領土・領海・領空だけにとどまらない。軌道上の公海や周辺上空の全てで、恐怖の5日間となる。当然迎撃しなければ自国の安全は保てない。
 しかし、北朝鮮は「迎撃したら報復する」という。「衛星」の打ち上げ実験を邪魔することは許さないという論法らしいが、テポドンであることが見抜かれている以上、「ならず者の論理」としか見られない。上空からミサイルが飛んでくるのを、黙って見ている国などないだろう。「ミサイル飛ばすけど、『衛星』という名前だから落ちても文句を言うな。邪魔もするな」ということらしいが、そんな無法は通用しない。
 ミサイルの軌道上と見られる海域で操業する漁船などは、5日間の休業で大変な損害が予想される。航空機も迂回を余儀なくされ余分な燃料と時間を使う。北朝鮮が勝手にミサイル発射期間とする5日間で、日本や関係国には膨大な損失が生じるのである。とても国際社会の一員がやることではない。
 他国民を平気で拉致する国家である以上、常識が通用するとは思えないが、ミサイルを衛星と言い、迎撃すれば報復するなどと恫喝するところは、ある意味「滑稽」というしかない。米国では今日、日本人宇宙飛行士若田光一さんが乗り込むスペースシャトル「ディスカバリー」が打ち上げられただけに、北朝鮮のふるまいが、余計お粗末に見えてくる。
 迎撃態勢をととのえると同時に、各国による「発射させない」ようにする努力が求められていることは言うまでもない。

【秋月】

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