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コダマの核心

(株)市岡の挑戦(前)先駆者のリスクを背負って躍進|激変してこそ企業寿命を延ばすシリーズ
コダマの核心
2009年3月20日 12:12

[企業データ]
商号: 株式会社市岡   
代表取締役: 市岡福雄  
所在地: 福岡市東区箱崎ふ頭4丁目3番8号
資本金: 5,000万円   
設立: 1950年6月  
年商: 60億円

木材プレカット事業のパイオニア

 ㈱市岡は木材プレカット事業に乗り出すまでは、福岡県でも有数の銘木・床廻り部材の老舗として名を馳せて来た。だが時代は激変。住宅およびライフスタイルの洋風化と共に住宅の畳の間が減り始め、床の間すらも設けない間取りのプランが増えていくことになる。施主の住宅取得年齢もどんどん若返り、今では30代の前半さらに早い人では20代後半で自宅を購入(建築)するようになってきた。
 このことは住宅購入者層つまり需要者側の変化であるが、供給サイドから見た変化は建築技能者、特に大工の新規参入者が減り続け、仕口加工などの構造・結合強度を要求されるような微細加工ができる熟練工が容易に育たなくなったことである。また育成に時間を要するようになったことも頭痛の種であった。
 そこで開発されたのが、大工職が加工場や建設現場で切り込み作業を行わなくてもいいように、プレカット工場で木材を加工するシステムである。これによって工場で材を加工して現地に配送、建て方工事を行うだけで上棟まで1~2日で完了するような省力化が可能となった。職人を育成する手間も省け、二重のメリットを得ることができるのだ。このプレカット工場建設に九州で一番早く取り組んだのが㈱市岡である。

好収益企業に変身

 市岡は、本来の銘木販売からの業態転換に取組んで見事に成功した。ライバルの㈱キューハウ(本社・福岡市東区)もそれまでの新建材販売に加えてプレカット事業に乗り出し成功した。共に両社の経営陣の大きな挑戦であった。激変対応をしなければ企業の存続はないことを両者が証明してくれている。
 市岡は一時期3~4億円という高収益を続けていたが、さすがに一昨年6月20日の新建築基準法改定や昨年の金融危機の影響を受けてはいる。しかしそういった厳しい業界環境の中でも2008年12月期決算は売上高60億円、経常利益1億5,500万円、最終純利益8,700万円を確保して健闘しているのには頭が下がる。
 耐震強度確保のために、仕口加工が金物工法に切りかわっていくのをいち早く察知し設備投資に乗り出した。加えること、羽柄材プレカット加工に乗り出したのも同業他社より早く、一歩抜きん出て事業展開に踏み込んだ。企業のとしての先駆性が大手住宅会社からの信頼を勝ち得ることにつながった。こうした時間差攻撃が大きな収益確保の源となり、同時に新情報の確保にもつながって、財務内容の改善に大きく貢献してきたのである。(続く)
【児玉直】 

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