時代に沿った経営を創り　使命感をもって業界を再生する

　建設工事に欠かせない生コンクリート業界（以下、生コン業界）。建設業界全体の低迷を受け生コン業界も年々業績が減少傾向にある。そんななか、生コン業界の再興のため知恵と情熱を傾け尽力している業界人も多数存在する。今回は熊本県球磨郡から全国へ市場を広げる味岡生コンクリートグループ代表取締役の味岡和國氏と、福岡はもとより全国の業界青年部を牽引し、豊富なアイデアで生コン業界改革を目指す野方菱光（株）代表取締役の林宗一氏に、将来の生コン業界について熱く語っていただいた。

味岡生コンクリートグループ
代表取締役
味岡　和國 氏
所在地：熊本県球磨郡あさぎり町免田西3278
設　立：1991年2月
資本金：1,000万円
業　績：80億円（グループ）
工　場：24工場

野方菱光（株）
代表取締役
林　宗一 氏
所在地：福岡市西区大字飯盛425-1
設　立：1978年5月
資本金：4,030万円
業　績：43億円（グループ）
工　場：5工場（関連会社含む）

─価格面はいかがですか。

　味岡　熊本中央地区は標準で1万1,000円/m³です。

　林　福岡地区は1万200円/m³です。

　─価格面に関しては比較的廉価を守れているのですか。

　味岡　生コン業界はエリア商売ですので各地区それぞれ価格は違いますが、宮崎地区と熊本中央地区は先般価格を見直しました。しかし、弊社も工場を持っておりますが大分地区は現況3,400～3,600円/m³と常軌を逸した価格となっている。大分地区の組合は現在事実上活動停止状態で新年度に向けて再編しなければなりません。このような価格で高品質な製品を供給できるか疑問です。

　林　無秩序なダンピングで一番迷惑を被るのは出荷した工場のスタッフ。購入側・使用する側も少しは考えていただきたいです。

　味岡　林社長がおっしゃる通り、買う側の意識─ゼネコンがもっと生コンの重要性を理解していかなければならないですね。コストマネジメントも大切。しかし製品には適正価格があります。協同組合側もゼネコンの注文ばかり聞いていてはいけないのです。高品質な製品を出荷するには、適正なコストが発生し、それなりの価格になることを理解してもらわねばならないのです。出荷を止めるなど強い姿勢をみせることも時には必要なのではないでしょうか。（つづく）

【河原　清明】

*記事へのご意見はこちら

※記事へのご意見はこちら