国内金融機関の貸出金が大幅に増加している事実がある。
全国銀行協会によると09年2月末の貸出金は前年同月比で都銀が4.7%、地銀が4.8%増加した。ところが現実は、資金繰りに悩んでいる中小企業に資金が回っていないのである。
08年12月末の日銀貸出先別貸出金によると、中堅・大企業向けは前年同月比で12.4%増、中小企業向けは0.8%減少している。業種別でも中小の建設業は7.2%減、不動産業は1.5%減であるが、大手建設業は21.9%、不動産業は4.8%それぞれ増加しているのである。
地銀の貸出金増加分は地方公共団体や大企業に向けられたものに過ぎない。今まさに中小企業に対する金融機関の仲介機能が強く求められている。
【久米 一郎】
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