マンションの販売手法には、同じ県内でも福岡市と北九州市ではややスタイルが異なる点がある。福岡では棟外モデルルームを作り、実際のマンションが完成するまでの間、来場者はそのモデルルームを見てマンションを購入するかどうかを判断するのが一般的である。最近、北九州でもこのスタイルが増えてきたものの、いわゆる北九州方式と呼ばれる販売スタイルがある。これは棟外モデルルームを造らずに、実際のマンションの建設がある程度進んだ段階で棟内にモデルルームを造って販売するというもの。この方式では、いわゆるモデルルームの建設資金やその土地の賃借料が抑えられるため、その分マンションの販売価格を若干抑えることができる。
しかし、この北九州方式の販売手法は今後、どうやら難しくなるようだ。これは役所の指導によるもののようで、棟内モデルルームは基本的にほぼ建物が完成した時点でなければNGとなる(本来はこれが正しいのだが、北九州では例外的に早い段階での棟内モデルルームの建設が黙認されてきた)。
そのため、北九州のデベロッパーの中には今後の販売戦略を大幅に見直すことが必要となっているところもでてきている。デベロッパーの苦悩は、まだまだ続きそうだ。
【宮野 秀夫】
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