麻生渡・福岡県知事は26日の県議会最終本会議で、これまで検討されてきた福岡空港の抜本対応方策について、滑走路増設案を支持することを正式に表明した。
麻生知事は「現空港の容量は限界に達しており、早急に容量限界打開の拡充を行なわねばならない」として工事期間の短縮、利便性を重視し「滑走路増設に着手するよう」国に求めると述べた。一方で新空港についても「需要予測では十数年後には容量限界が予想される」とし、「新空港について調査研究を続けていく」とも述べ、新空港の必要性についても強い期待を述べた。
また、北九州空港の活用強化ついて県として、24時間運用の利点を生かし増便と拠点貨物空港として成長するため、滑走路を3000ｍへと延伸すべきとした。
麻生知事は吉田宏・福岡市長との連名で国交省に意見書を提出する。これで「増設か新設か」で揺れてきた福岡空港問題が一応決着を見たことになる。

　きょうの麻生知事の意見表明について、新空港建設に反対する「玄界灘を守る会」の堺代表は、「増設ということで美しい海が守られることは喜ばしい。住民のこれまでの努力が実った。しかし新空港の調査研究ということで新空港への不安が消え去ったわけではない。」と語った。
　「福岡空港地主組合」の曽根崎組合長は「これまで望んできた結果である。ホッとして反面複雑な心境でもある。拡張になれば私達の協力、責任も重くなってくる。安全で使いやすい空港になっていくことを望んでいる」と感想を述べた。

　一方、新空港建設を訴えてきた「博多21の会」と民間シンクタンクの「Ｃ＆Ｃ21研究会」は、「麻生知事の表明は、増設案は暫定的な対策であり、長期的な視野に立てば新空港の必要性も示唆され」ており、新空港を退けたものでなく、長期的視野にたったもので、私達の意を汲んだ政治的示唆に富んだものだ、今後の推移を見守りたいと述べた。

【武田】

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