27日、麻生福岡県知事と吉田福岡市長が揃って記者会見、福岡空港の混雑緩和を図るため、海上への新設か現空港の滑走路増設かで注目されていた問題で、「増設案」を支持することを表明した。近く連名で国に意見書を提出する。しかし、麻生知事と吉田市長の政治姿勢には明らかな違いがあった。
知事は初当選以来、一貫して海上新空港の実現に熱意を持っていた。経済状況の悪化や自・公政権の凋落がなければ新空港支持を表明していたものと思われる。全てを考慮したうえでの苦渋の決断だったのだろう。
吉田市長はどうかといえば、「新空港はいらないと明言する」と公約しながら、麻生知事の「増設支持」が明らかとなるまで沈黙を続けたに過ぎない。昨日の会見で「新空港は必要ない」と言ってはみたものの、後出しじゃんけんでしかない。洞ヶ峠の吉田さんには政治家としての矜持はなかったということだ。
さらに、北九州空港の滑走路延伸に話が及んだところで、「聞いてない」とばかりに麻生知事の側から椅子を遠ざけ、直後に知事から退席を促されるというお粗末。北九州空港の滑走路延伸案についてはすでに報道が先行しており、北橋北九州市長も歓迎する意向であることは周知となっていた。福・北連携の観点からも吉田市長が拗ねるような話ではない。北橋氏と吉田氏はともに民主党の推薦で市長になったはずだが、政令市どうしの連携は山崎・末吉両前市長時代より後退している。
こども病院問題をはじめ、大半の公約を反故にしながら平然としている吉田市長だが、市民の怒りは理解できていない。知事や北九州市長の思惑にも理解を示せない。つまり「空気が読めない」ということのようだ。福岡市のとっては不幸というほかないが・・・。
【市政取材班】
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