29日、民主党の鳩山幹事長が民放テレビの番組などで、総選挙に向けて小沢代表では政権が取れないと判断した場合には、小沢代表ともども責任を取って辞任する意向であることを明言した。小沢代表を支えて検察との闘いに臨むという意思表示であるとともに、党内にくすぶる代表辞任を求める声に「辞任」の時期や条件を提示し、動揺を抑えることを狙ったようだ。辞任か否かの判断は民主党が実施する予定の選挙区情勢調査の結果で判断するとしており、総選挙が視野に入る時期を選ぶと見られる。
同日は注目の千葉県知事選挙の投開票。推薦候補の苦戦が伝えられるなか、知事選の結果を受けて辞任要求が強まることに先手を打った形。事実、同日夜の開票の結果、千葉県知事にはタレント候補・森田健作氏が大差で当選し、民主党への逆風を感じさせている。
ただ、西松建設をめぐっては、同社と二階経済産業大臣との新たな疑惑が報じられており、小沢民主に集中してきた「政治と金」への批判が自民党へも向かうことが考えられる。また、起訴された小沢代表の公設第一秘書の政治資金規正法違反(虚偽記載)事件の裁判について、公判での立証の難しさを指摘する声が少なくないことも、民主党執行部の強気につながっていると見られる。
鳩山幹事長の捨て身の戦略が功を奏すかどうか、週明けからの党内の動きが注目される。
【春田】
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