ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

行政

吉田福岡市長は公約を守れたのか?
行政
2009年3月30日 09:09

 26日の県議会最終日、麻生知事は福岡空港の過密化対策として(1)滑走路増設の早期着手(2)新空港の調査研究に言及したうえで「増設案支持」を正式表明した。同様の意見書を知事と連名で国に意見書を提出する。これにより20数年来の「新福岡空港」論議に一応のピリオドが打たれることになった。
 県議会終了後、知事との共同記者会見に臨んだ吉田宏・福岡市長は、滑走路増設案支持で足並みがそろったとし、「公約が守れた」とばかりに胸をはったとされる。
 この共同記者会見において「新空港」の表現をめぐり知事と市長との間にずれがあったことは伝えられるとおりだ。しかし、「増設支持」で市長の公約が果たせたのか、市民団体の中からも疑問と批判の声が噴出した。
 吉田市長は06年市長選の公約で「新空港はいらないと明言する」とし、「福岡空港の利用者は微減傾向にあり、将来、急激に増加するとは考えにくい。新北九州空港・佐賀空港と連携することで対応する」と述べていた。こうした吉田市長の姿勢は「新設も増設もいらない」という立場のはず。今回の国への意見書、麻生知事との「合意」は明らかに公約に反すると言えるのではないのか。この点に頬かむりして「公約が守れた」とするのは政治責任の放棄とも言えよう。
 さらに、北九州空港の貨物拠点空港に向けた滑走路の延伸を国に求めるとする麻生知事の考えについて、吉田市長は「聞いていない」という態度で記者会見を途中退席。子どもじみた対応で失笑を買った。福・北連携を主張していたのだから、喜んでよい話ではなかったのか。第一、北九州空港のことで福岡市側が「聞いていない」などと駄々をこねる筋合いではあるまい。
 そもそも今日に至るまでの吉田市長は責任逃れに終始してきた。積極的に公約を果たしていこうとする姿勢は皆無だった。3月6日の麻生知事との会談で「連名で意見書を提出」することに合意したものの、その内容について議会のなかでも明らかにしようとしなかった。23日の市議会条例・予算特別委員会総会での議員からの質問に対しても明確な意思を示していない。「県と最終的な意見の調整中である」というのがその理由である。市長は6日の知事との会談・連名意見書を盾にして自らの責任を放棄したといえよう。
 「議会のなかで市長が態度を明らかにすると混乱が生じる。それを避けるために何と言われようと沈黙を通した。それがよかったのかどうか」。市長を支持する議員からもそうした声が聞こえる。市議会自民党は新空港建設の立場であるから、議会での「激突」も予想はされた。だが多くの市民が注目し、態度表明が求められた空港問題で沈黙を守ることは「自己保身」だけに汲々とする吉田市長の姿をさらけ出したに過ぎない。
 いずれにしても「増設」と「新空港の調査研究」という内容が意見書に盛り込まれ、市長も同意したことの意味は大きい。記者会見でどう弁明しようとこの事実は消すことは出来ないのだ。


※記事へのご意見はこちら

行政一覧
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
2012年10月15日 11:00
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
2012年10月14日 07:00
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル