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特別取材

平成21年度に向けて積極果敢な戦略で乗り切る(5) | 山根木材(株)福岡支店 藤木直幸 氏
特別取材
2009年3月31日 08:54

競争激化が見込まれるリフォーム市場

 ―各メーカーとも、今後リフォームに注力していくようですが。
 藤木 リフォームは伸びますが、競争は激化するでしょうね。リフォームは、これからの少子高齢化の時代にはマッチしていると思います。
 現在住まれているお宅を工事するわけですから、施工品質も含めて信用・信頼を勝ち取れる業者だけが生き残れると考えています。

 基本は地域密着型で、細やかな『よろず屋さん』的な動きも必要だと思います。現に当社のように新築主体の住宅業者でも、高齢のお客様から要請があれば、電球1個の取り替えでも飛んで行って応対しています。リフォーム工事で生業を立てようと思うなら当たり前のことです。

 お客様へのよろず屋的なサービスを行なっていると信頼を得て、大規模リノベーションの提案にまで計画が進展することが稀にあります。当社でも総工事額が3,800万円にまで進んだ例があります。普段の点検を含めたアフターサービスがいかに大事なことか、信用を醸成していくものなのかを悟りました。

 ―信用・信頼の面でほかに気をつけておられることは。
 藤木 先程も述べましたが、住んでいらっしゃる方のお住まいを扱うわけですから、それなりの気配りが必要です。娘さんがいらっしゃるご家庭は特に過敏です。穴が開いていたり、臭いのする靴下などはもってのほか。作業着もこざっぱりとしたものに着替えて出入りする、挨拶などをきちんとすることなど、配慮が必要ですね。

 1棟の住宅請負と違い、信頼していただければ両隣やお向かいだけでなく、知人友人、兄弟までご紹介いただけるものです。またリフォーム工事は一回やれば終わりというわけでなく、次は違う部位の工事をご依頼いただいたりと、信頼が厚ければ継続的に仕事が産まれます。

 ―リフォームというと、中古住宅市場もターゲットになります。
 藤木 一口に中古と言っても、家の価値は雲泥の差があります。20年間住んだだけで、それ以降の住まいとして耐えられないものもあれば、ほとんど手を入れる必要の無い住まいもあります。
 基本的に、建てたときに高価格だった住まいほど良く、しっかりとしています。それを見極める目が大切です。最近では当社を含め大手住宅メーカーは『住まいの履歴書』を発行するようになってきました。新築後の手入れや使用部材などを綿密に記録として残し、資産価値向上と安心感を得られるようになります。

 現在の国内中古不動産流通は、建物の値打ちの判る人がほとんど介在していません。したがって中古住宅の現存価値を判断できずに、理不尽な価格が一人歩きしている例が多く、購入した後に手直ししなければならない箇所がたくさん出てくるということが多いですね。もっとも日本の場合は20年から35年程度で取り壊し、新築に建て替えることが多いのですが。(つづく)

山根木材株式会社
http://www.yamanefukuoka.com/

【構成・文:徳島 盛】

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