昨今の経済情勢の悪化や若者の車離れなど、一昔前とは状況が一変している自動車業界。国内外での販売台数の落ち込みから苦戦を強いられていることは周知の事実であるが、今回はそんな自動車各社の戦略を検証してみる。
世の中にガソリンエンジン自動車が登場して以来、日本の各メーカーは技術を競い合い、世界に追いつき、追い越せの精神で今日まで技術開発を行なってきた。自動車は溶接やプレスなど高度な技術の結晶である。現在の故障の少ない世界最高峰の自動車を作り上げてきた日本の技術者達の苦労たるや想像に難くない。
日本の自動車開発の上で転機となったことはいくつかあるが、その中でも1997年10月にトヨタがハイブリッド車「プリウス」を発売したことが最も重要な出来事の一つである。ハイブリッド車の構造を平たく言えば、異なる2つ以上の動力源・エネルギー源を持つ自動車で「ガソリン」と「モーター」を併用しているということである。
石油資源はいずれ枯渇することが予測され、また97年12月には第3回気候変動枠組条約締約国会議、通称「地球温暖化防止京都会議」が実施された。このような時代背景から「プリウス」の発売は大いに注目された。
【新田 祐介】
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