まず、写真を見ていただきたい。住居の周りに地雷原があることがお分かりだろうか。赤色の標識が地雷原であることを示すものである。ドクロマークの下に「Danger!!Mines!!」と書かれており、これは世界共通の地雷原のマークである。
写真を見て分かるように、ボッ・クナー村の住民は地雷原の中で生活しているのだ。実際に、これまで30人が地雷被害に遭い、そのうち11人(男9人、女2人)と牛2頭が死亡している。今では地雷原を示すマークがあるため危険箇所を認識できるが、昨年10月にMAGが現場に入るまでどのように生活していたのだろうか。また、多くの仲間が被害に遭ったことをどのように受け止め、どのような思いでこの場所に居たのだろうか。想像することは非常に難しい。どこか別の安全な場所に移住すればいいのでは?という安易な考えを持ってしまうが、彼らには経済的にそんな余裕はない。この村に住み、いずれ地雷が撤去されることを待ち望んでいる。そうなれば、土地を手にし、畑を耕し、作物を育て、生活も少しは潤う。また、撤去作業が終われば、土地を求めて21組の家族が戻ってくるそうだ。地雷撤去は人々の恐怖心を取り除くと同時に、人々の未来を創り出すのである。(つづく)
【楢崎 賢治】
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