福岡市教育委員会が行ったアンケートで、給食パンの持ち帰り禁止について、保護者の半数が反対していることが明らかとなった。
データマックスは昨年5月、市教委が突然出した持ち帰り禁止の通知をきっかけに、「提言 食育とは何か」と題する記事を掲載(参照)、問題提起を行なった。地元紙をはじめ民放テレビ局でも給食パンの持ち帰り禁止について取り上げ、市教委も「改めて議論する」としていた。
教育現場では「食べ物を大切に」と教えながら、手付かずの袋入り給食パンが、残飯として「ゴミ」になる現実。04年には「食育基本法」なる法律まで作りながら、全国の教育現場は96年に旧文部省が出した『学校給食衛生管理の規準』にある「パン等の残食の持ち帰りは、衛生上の見地から禁止することが望ましい」という一文にしばられてきた。当の文科省は昨年、データマックスの問い合わせに対し「『規準』はあくまでも『望ましい』としており、それぞれの地域事情に応じて判断してもらっていい」と責任転嫁ともいえる回答をしている。
衛生管理の見地から、持ち帰り禁止に賛成の方々もおられるようだが、子どもに食べられるかどうかの判断をさせるのも教育である。数秒に1人の割合で子どもが餓死するという世界の現実もある。それを他人事として食べ物を粗末にするような人間は、将来、とても国際人足りえない。
小学生の子どもを持つ一人の親として、持ち帰り禁止の見直しを再度提言しておきたい。
【頭山】
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