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コンビニ一人勝ちの理由(1)
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2009年3月18日 11:18

 100年に1度の経済危機が叫ばれる中、消費不況は深刻さを増している。とはいえ、百貨店やスーパーに比べると、比較的堅調に推移しているのがコンビニエンスストアだ。この好調要因がコンビニ各社の経営努力の上にあるのは、意外に知られていない。それらを掘り起こしながら、コンビニ一人勝ちの理由を検証する。

1. 奏功する人材教育システム

コンビニ一人勝ちの理由 九州経済産業局が2月6日発表した2008年の各種小売業の動向調査によると、コンビニエンスストアは売上高6,667億円、対前年比8.8%増と9年連続で増加した。
 この好調要因について、主要コンビニのトップは、タスポ(たばこ販売用の成年識別ICカード)効果と説明する。ただ、市場が飽和状態で既存店の売り上げが伸び悩む中、各社が地道に取り組む政策が奏功した面も見逃せない。その一つが人材の育成である。

 コンビニは店舗の90%以上がFC(フランチャイズ)システムで運営されている。しかし、コンビニ本部やSV(スーパーバイザー)によるスタッフ教育が満足いくものではないという店舗オーナーは少なくない。
 加盟店は年中、高い広告費をかけてスタッフ募集を行なっても、仕事に慣れた途端に辞めていかれるケースが後を絶たないからだ。

 こうした悪い状況を変えるには、長期的な視野に立って労働環境を整え、能力のある人材を育てていかなければならない。スタッフが育ち人材が安定すれば、売上げアップにも貢献する。オーナーや本部がそう考えるのは、ごく自然のことだ。
 人材育成について、以前は本部が加盟店サービスのアルバイト教育として実施していた。だが、競争激化で厳しい経営環境におかれる中、コンビニ各社は段階を追って、人材を育てる教育システムにシフトしている。

◎資格取得の奨励と移動研修車の巡回

 ファミリーマートが取り組むのが「ストアスタッフ10万人育成プロジェクト」だ。中でも、同社はサービス&クオリティ、クレンリネス(清掃)や商品発注のレベルアップを目指し、アルバイトの募集から面接・採用、育成にわたって店舗スタッフを戦力化していく資格認定制度を取り入れている。
 この制度はオーナーやSV、アルバイトはもちろん、本部関係者まで全員が取得できるようになっており、資格認定者は昨年上期だけで初級、中級、上級の合計で5万8,000人以上。さらに同社は、サービス&クオリティ、クレンリネスの頭文字をとった移動研修車SQC号を導入し、研修を受けにくい地方店を
巡回させている。
 4トントラックを改造し、荷台にはレジカウンターを設置。スタッフは挨拶から身だしなみ、接客用語の使い方まで、みっちり2時間の研修を受ける。
 昨年の巡回店舗は全国で400店以上に増え、受講者数も07年の倍の2000名まで拡大した。店舗が飽和状態でエリア内競合が激しい中、スタッフの接客態度が悪ければ、お客は二度とその店に来店しなくなる可能性が高い。
 コンビニ各社が資格認定や接客教育に力を入れるのは、新規出店頼みによるこれ以上の成長は望めないからで、既存店のテコ入れに注力したことは好調要因の一つといえる。(つづく)

【釼 英雄】

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