新福岡空港建設に反対する住民団体「玄界灘を守る会」は23日夕方、「新空港反対」「新空港案の可能性を完全に排除し、公約順守してください」との申し入れ書を吉田市長あてに提出し、併せて6,168名の署名を手渡した。
同会の堺代表は、吉田市長はこれまで空港問題について態度をはっきりさせていないことに疑問を投げかけ、市長選の公約で明言した「新空港不要」を表明すべきだと申し入れた。また麻生知事が増設案を支持しつつも将来の新空港の可能性を表明すると報道されていることに触れ、吉田市長も同様の考えだとしたら「公約違反」になるとし、新空港の可能性を完全に排除することが市長に求められていると、市長の明確な立場表明を要求した。
応対した市長室長は、「26日に麻生知事と一緒に考えを述べることになっているが、いま最終調整の段階。どういった形で意見表明するか県と調整中である」としている。
その後、堺代表ら一行は市議会の川口浩議長に同様の申し入れ書を手渡した。
市長としての明確な態度が表明されないまま、市議会は25日に閉会する。同会では、このままでは市民の声が市長に届かないということで今回の申入れになったとしている。その背景には、こども病院の人工島移転に見られるような吉田市長の度重なる公約違反に対する不信がある。同時に、市長選で「市民の声を市政に反映させていない」と前市長を批判し当選した吉田市長が前市長以下の対応しかしていないことへの不満がある。さらに知事と歩調を合わせようとする市長に対して、将来の空港新設に含みを持たせるような内容になることに歯止めをかける狙いだ。
市長への申入書を手渡す堺代表 |