Yahoo!JapanやGoogleなどインターネットの主要大手ポータルサイトが毎日ほぼリアルタイムでニュースを配信するようになって以来、「新聞離れ」が言われて久しい。少々古いデータになるが、NHKが2005年に行なった「国民生活時間調査」によると、インターネットが普及し始めた95年の新聞購読率は52%だったのに対し、05年では44%と大きく落ち込んでいる。世代別では30代(55%→29%)・40代(67%→41%)が顕著。昨年12月の日刊紙販売部数は4,489万9,602部、前年同月比で約8%減と、04年をピークに右肩下がりを続けている。
インターネットや携帯電話の普及、広告収入減、販売コストの上昇など、新聞社を取り巻く環境は厳しい。各社間の業務提携や拡販キャンペーンなど新規契約による販売部数増にも躍起の各社だが、意外なところに「難敵」が潜んでいた。
「インターネットの影響はもちろん強烈だが、意外とネックになっているのがオートロックと集合ポスト」と語るのは、都内の新聞関連社会社に勤務するM氏。
「以前稼ぎ頭だった集合住宅系は、軒並みオートロックが導入されていて新聞購読の新規契約が難しくなっている。運良く話を聞いてもらえたとしても、ポストが1階に集中しているから毎朝1階まで取りにいくのが面倒、と言われる。結局、タダだし手軽だしニュースはネットで、となってしまう」とのこと。
各地域に販売店を置き、強力な個別宅配制度と再販制度に依存して高い購読率を維持してきた日本の新聞。ネット普及への対抗策だけでなく、今後は住環境の変化にも対応していかなければならないようだ。
【烏丸】
※「国民生活時間調査」:全国の10才以上が対象、150地点無作為2段階抽出、有効調査相手数7,716名
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