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博多港特集・座談会1 福岡・九州の総合力を生かしアジアの港との協調に針路を(5)
特別取材
2009年4月 5日 08:00

博多港特集・座談会1 福岡・九州の総合力を生かしアジアの港との協調に針路を 昨年10月、博多港で水深15mのコンテナバースが供用を開始した。大型コンテナ船の寄港が始まり、既に整備されている世界水準の物流システムと併せて、博多港の高いポテンシャルが示された。一方で世界的には知名度が低く、釜山や上海など大型港との競合関係もある。こうした環境の中、博多港はこれからどのような役割を担っていくのか。その進むべき方向性をKBCラジオ番組パーソナリティなどとして活躍中の中村もとき氏の司会で、博多港ふ頭(株)代表取締役社長の江頭和彦氏、九州大学大学院経済学研究院教授の久野国夫氏、福岡ロジテム(株)顧問の賀来紀久男氏の3名に語り合っていただいた。

●博多港がもつ景観のよさ

中村 
 ある意味で問屋さんのような機能を持つことができるということでしょうか。

江頭 
 港全体がフォワーダーみたいなものですね。

久野 
 中国などからのお客さまを船に乗せて博多湾をクルーズする機会があったのですが、その景観のよさが大変喜ばれました。このような感じで観光の船が博多湾内を走るのは、物流にとっては迷惑なんでしょうか?

江頭 
 いえいえ、一般の方に見ていただくのは理解を深めていただくいい機会ですから、大歓迎です。博多湾は広いですし、穏やかな海ですから安全性も高く、もちろん物流の邪魔になるというようなこともありません。

賀来 
 私どもの業界でも中国からの研修生などに博多湾を見せています。

中村 
 観光のことを考えると、須崎ふ頭の開発をきちっとしないといけないでしょうね。須崎ふ頭は現在、完全な物流エリアで一般の人には入りにくい場所ですが、あそこからは博多湾の様子がよく見えるんですよ。香椎パークポートやアイランドシティのコンテナバースにあるガントリークレーンが並んでいる風景などは、特に夕日の中では、「ライオンキング」のキリンがたたずんでいるようで、とても美しいんですよ。

江頭 
 これからですね。博多港は施設が需要を追い越したことがないんです。普通は港湾施設がオープンすると、当初は野っぱらのままで利用が増えるには数年かかります。しかし博多港では、昨年供用を開始した15m岸壁も、オープンしたとたんに次々と船が入ってきて、空きがないんです。つまり休んでいるところがない港です。ということは、須崎ふ頭を開発するにしても、現在ある穀物のバースやサイロをどこに移転するかが決まらないと動けないんです。現在の博多港に常時来ている大型船は、コンテナと穀物の船です。だから難しい。それともうひとつは、福岡都市圏が南下していて、交通アクセスがふ頭まで届かないことも大きな課題でしょう。

●ハイブリッドの設備

中村 
 コンテナヤードは今後どのように整備されるのでしょう?

江頭 
 今、香椎パークポートに2バースあります。またアイランドシティでもすでに供用されている1バース加え、昨年10月にもう1バース設置しました。クレーンの設置がまだだったのですが、今年4月から稼働を始めます。奥行きをあと350mほど広げる予定で、2010年度にはヤードとして完成する予定です。できればもう1バース、増やしたいと思います。もうひとつ、整備の方向性としては、荷役機械のハイブリッド化を進めているところです。これは燃料のカット率が平均40%にもなります。この取り組みをさらに進めて、私どもではフル電化したいと考えています。現在、国土交通省とも協議しながら進めていて、実現すると日本で初めての取り組みとなります。

中村 
 大きなクレーンや最先端の物流システムは、子どもたちの教育の場としてもすごくいい場所となるのではないでしょうか?見学のルートなどを整備していただけませんか?

江頭 
 当社には見学者がとても多く来るんですよ。小学生のみなさんも数多くご案内しています。ただ、港は危険な場所が多いので制約も多いのですが、できるだけ市民のみなさんに親しんでいただけるように工夫をしていきたいと思います。

久野 
 そういう施設やルートができたら、留学生や海外からのお客さまは必ず案内しますよ。

つづく


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