今回のテーマはインバータ(以下、INV)である。これは直流電力を交流電力に変換する装置あるいは装置の一部のことで、簡単に言えば、モーターの回転数を変える装置だ。身近なもので例を挙げるとエアコン使用時、温度を上げる際にモーターの回転数を上げるものがある。
様々なものに使用されているINVは三菱電機、日立製作所など日本の大手電機メーカーが得意としている。自動車用の電機部品の開発が進むことは電機メーカーが自動車メーカーになることを意味しているのかも知れない。事実、数年前より、大手FA機器販売商社では新規開拓営業先を自動車車載電機部品製造企業としているところもある。このように車載搭載される電機部品が、自動車産業回復の起爆剤のひとつになる可能性が高いと言える。
かつて石炭から石油への産業構造の大きな変革が起きたのと同様に、今は自動車の大転換期であり、わが国の技術者は世界を凌駕する「車」を造り込んでいる段階といえよう。
【新田 祐介】
※記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら