北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射の暴挙が5日、現実のものとなった。懸念されたミサイルのブースターや破片といった落下物による被害はなかったが、複雑な思いが交錯する。
固唾をのんで見守った国民の間には、改めて北朝鮮への怒りが高まると同時に「ほっとした」との正直な思いも―。特に、6日から新たなスタートとなる教育現場などでは胸をなでおろす関係者が多い。
福岡市では、ほとんどの小学校・中学校・高校が6日に始業式を迎えるほか、北朝鮮が「衛星発射」を予告していた8日までには、入園式・入学式の予定がぎっしりだった。晴れの日にミサイル騒ぎが続いていれば、どれほど嫌な思いをすることになっただろう。
4月から子どもが中学校に入学するという福岡市内の主婦は「8日が入学式の予定です。いつまで騒ぎが続くのかとはらはらしていました。福岡は関係がないという人もいますが、まともにミサイルを打ち上げられるかどうかも分からない国がやることですから・・・。第一、いつ何が飛んでくるか分からないままの状態では入学式も落ち着かないでしょ。平和ボケとしかられるかもしれませんが一安心です」と安堵の表情を見せる。
別のお母さんも「明日は6年生になる息子の始業式。(ミサイル騒ぎが)終わってよかった」と正直な感想をもらす。
新たな門出を緊張の中で迎えずに済んだことで、一様に明るい様子ではあるが、引っかかるものが残ったのも事実。前出のお母さんたちが口をそろえて「今度は(ミサイル発射を)いつやるのでしょう」と言うように、実際にミサイルを発射した北朝鮮への不安は、これまでより確実に大きくなった。
【春田】
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