北九州でもついにトップクラスのゼネコンの破綻が発生した。破綻したのは、北九州市戸畑区に本社を置く(株)川口工務店。同社は事業継続の意向があるとのことであるが、現時点では今後の展開はまだ読めない。
川口工務店が施工中の物件の中に分譲マンションがある。このマンションは、(株)オークラ(八幡東区、代表:長冨 敬氏)が販売する「オークランド木屋瀬」で、現在10階建ての8階部分までコンクリートが打ち終わった状況となっている。35戸のマンションで4月中旬から販売する計画となっていた。現在は予約受付の段階であるが、5,6件が契約となりそうな状況であるという。
しかし、今回の事態を受けて現場はストップ。今後に関しては、引き続き川口工務店が施工するのか、他社が引き継いで施工するのか決まってはいない。しかし、オークラとしては今期の決算にこの物件の売上を計上する見込みであったため、予定が大きく狂ってしまった格好。
これまではデベロッパーが破綻してゼネコンが大口の不良債権を抱えるというパターンが多かったが、今回は逆のパターン。ゼネコンの破綻でデベロッパーが影響(直接の金銭的な被害ではないが)を受けることとなった。デベロッパーにとっても、ゼネコン選びは安いことが第一条件ではなく、しっかりと工事を竣工してくれる会社を選ぶべきである。
【宮野 秀夫】
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