自己防衛で問題回避を(2)
渡部 ところで、瑕疵の判定は誰がするのでしょうか。
―保証機構がするようですが、どこまで理解しているかですよね。
大石 今回対談するにあたり、当社の技術者が機構に色々と問い合わせましたが、まだはっきりした見解が出ていないようです。
宇都 どのみち、自己防衛しないと仕方ないですよね。工務店さんもしっかり対策する必要があるでしょう。問題が出てユーザーが裁判を起こせば、設計者か工務店かどちらかの責任が追及されるわけですから。総合的な予算のなかで、キッチンにお金をかけるくらいなら換気などにまわすといった知恵がユーザーに必要になってくるでしょうし、工務店がそうした提案をしきることが大切だと思います。
ある防水工法を提案したときに、今までの工務店さんは「お客さまの予算が決まっているから」といって取り合っていただけないケースもありました。ただ、施主に夏型結露の対応ができるような材料を提案するといった取り組みを、会社全体が行なっていかなければなりません。
渡部 いろいろな工法をウリにしている工務店がいますが、これらの工務店は何でもできると言いながら、すべて商品が不十分で品質の悪い建物を供給しているように思えます。売上のためには何でもするという姿勢が一番問題であると思っています。
10年間くらいの期間で住宅会社を見てみると、そのような会社は経営が悪くなる傾向があります。自分の会社で良いと思う工法に特化して研究をしていくことが、事故を未然に防ぐことにつながるのではないでしょうか。
~続く~
【文・構成:大根田康介】
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