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博多港座談会2 海に開かれた都市と福岡の将来像を考える(2)
特別取材
2009年4月 8日 08:42

他港にはない景観のよさ

博多港座談会2 海に開かれた都市と福岡の将来像を考える佐藤 
 九州の中でも、北九州市や長崎市に比べて、どうも博多港は中途半端なイメージがありますね。さまざまなモノや機能が少しずつ詰め込まれているような感じです。

森岡 
 博多港の中では唯一、福岡造船がモノをつくっているところです。ここは最近、受注が好調で、中型のケミカルタンカーを常時建造しています。モノづくりをしなくなった福岡の中で、孤軍奮闘しています。進水式があるときはいつも周辺の人たちも集まって、にぎやかです。その意味では福岡の原点を守ってくれているわけで、3年ほど前に福岡市景観賞の選考委員をしたときに、私は強く推薦しました。

武谷 
 湾の中の構成としては面白いですよね。東から中央部は物流機能が集積し、その先には魚市場や福岡造船など賑やかな雰囲気が残っていて、西には海岸線が広がっています。さらにその先には能古島や今津湾などの自然が残っていて、北側の湾の出口には志賀島がある。こんな環境はよそには滅多にありません。関門の港は高速で船が行き交っていますが、博多湾の景色では船も静かに停まっているように見えます。

森岡 
 海外や国内の他地域などからのお客さまを博多湾に案内すると、驚かれます。昨年、中国から20数名の専門家を招いて景観シンポジウムを開いたときも、福岡市の船で博多湾を一周したのですが、船内は興奮状態でした。港湾施設に砂浜、島、ドーム球場などバラエティに富んでいて、これだけ豊かな景観をもつ環境は他にはない、というのです。海はもちろんですが、福岡には低いけれども山の姿がかなり残されています。海だけではなく背景も含めて考えると、良い風景を維持できているのに、その良さに地元の人がなかなか気づかないのはなぜなのでしょうか?

住吉 
 ヨーロッパの港を見ると、産業、漁港、そして観光・レジャーという3つの機能が見事にそろっているところが良港として賑わいを見せています。博多港は、産業と漁港はある程度見えるのですが、観光・レジャーの部分で人をひきつける力が足りないのではないでしょうか。バルセロナなどでは水族館や鮮魚市場、食事を楽しんだり、人が集まる場所などがあって、港は市民が気軽に足を運ぶ場所になっています。こうした部分が博多港にはないのか、あるいはうまく機能していないのではないでしょうか。

つづく



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