地場が勝つ時代に向けて
―2×4工法にしても在来工法にしても良い点はあります。しかし私は持論として、1つのことに特化する工務店の方が生き残る可能性が高いというのがあります。
渡部 たしかにブームに乗って新しいことに手を出せば、その瞬間は勝った気分になるのですが、結局は長続きしていないようです。おおまかな傾向としては、1棟あたりの金額が下がり、利益率、利益額とも下がります。
価格が安いからお客さまが喜んでいるかというと、ほとんど逆の状態です。お客さまは、建てる前は安さを希望するのですが、住んでからは品質を希望するので満足度が低くなります。満足度の低さが評判を悪くして、さらに安売り住宅に走るというマイナスのスパイラルに陥ってしまいます。お客さまの満足度で利益を高めていくのが住宅産業ですから、ますます経営に支障をきたすような気がいたします。
また今後は、大手がやってきたような全国一律的な戦略はダメで、地場に密着したつくり方と施主との付き合い方が大事です。大手と地場が逆転する時代になるかもしれません。
大石 ところで、全国の住宅着工件数の見通しはどうでしょうか。
―やはり来年度は80万戸を切るくらいに減るでしょうね。
渡部 着工減により、供給側の整理淘汰が行なわれているのが現在の状況です。リーマンショックで倒産などが大きく顕在化しただけの話ですから、恒常的不況に対して今まで通りの手を打っていけば安定経営はできると思っています。
結局、最後に助けてくれるのは今まで建てていただいたお客さまで、この方たちの満足度を高めていく家づくりと人間的なお付き合いが大事だと思っています。
~続く~
【文・構成:大根田康介】
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