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博多港座談会2 海に開かれた都市と福岡の将来像を考える(7)
特別取材
2009年4月13日 08:46

文化的な刺激も必要

博多港座談会2 海に開かれた都市と福岡の将来像を考える佐藤 
 博多港の場合も、オリンピック招致の際、須崎ふ頭の機能を湾内の東側に移転して、須崎ふ頭を五輪会場として使用し、その後は住宅を中心とした臨海都市に変えていくという構想がありました。オリンピック招致の賛否は措くとしても、須崎ふ頭を臨海都市に変えていこうという構想や思いは今も、地元の行政や経済界の中にもあるようです。また、港の基本的な形として、物流などの港湾機能をアイランドシティや香椎パークポートの博多湾東部に集約し、都心に近い湾の中央部から西側は人が中心のエリアとして再構成する方向ではあるようですが。

住吉 
 現状のそうした構想の中でも、決定的に足りないのは、公園ではないでしょうか。港町には公園がありますよね。

森岡 
 ヨーロッパと比べると、公園に対する感覚というか、親しみ方が違いますから、難しいのかもしれませんね。

住吉 
 余計なものはつくらず、ただ散歩するだけでも、公園として親しまれるのですが。

森岡 
 日本の公園では、やたらと遊具を置いたり、お世話しすぎですかね。

佐藤 
 人が常に港にいるという意味では、例えばベイサイドプレイスなどは商業施設だけではなく、上層階は住宅にするといった工夫もあっていいのかなと思います。私たちの業界では、事務所は何も都心の一等地である必要はなくて、海に近い港湾部分に広い空間の事務所を構えるというのが理想的なのですが、なかなか場所がないですよね。海外では物流倉庫を改装してフリーな人々が事務所やアトリエとして使うといったイメージでしょうか。

武谷 
 那の津ふ頭周辺は、福岡造船や魚市場があって、混在してますが、住宅もあり、独特の雰囲気ですよね。魚市場はもう少し気軽に行けるような雰囲気だといいのですが。

佐藤 
 今の福岡は、生活価値は世界的にも高い都市で、暮らしやすいのですが、文化的な刺激が足りないといわれることがあります。古いものは残っていないし、かといって最先端でもない。20年後、30年後、福岡という都市が何で成り立っていくのかというのを考えたときに、やはり広い意味での観光、つまり人が集まってくる都市であるということではないでしょうか。そうすると、人をひきつける演出や工夫をもっともっと考えなければいけないのでは。

森岡 
 その意味でも、先ほどの福岡造船も含めたモノづくりをもう一度見直してはどうでしょう。商業と逆の話ではなく、例えば古い博多部では、モノをつくりながら同時に商売をしていました。まだまだ地道にモノをつくっている人たちは多いし、また、デザイナーも同じだと思います。そうした人たちと、その仕事をもっと見直してみれば、まちの将来像にひとつの方向が見えてくるのではないでしょうか。

武谷 
 博多港、博多湾は本当にすばらしい資産なので、ぜひ生かしていきたいですよね。このエリアをいろんな形で結んでいけば、新しい人の動きが生まれてくれると思いますよ。

住吉 
 ヨーロッパでは街から自動車を減らしていく方向に地域づくりが転換しています。同じことを単純に福岡でやろうとするといろんな問題が起こるのでしょうが、そのときに博多湾の高いポテンシャルと資産を有効活用する形で人の流れの誘導ができれば、新しい港町としてのまちづくりにつながるのではないでしょうか。

終わり


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